合間の贅沢 vol.1 京都 雲龍院
そこは、観光客がほとんどいない。
夏から秋の時の流れを楽しんでいるかのようだ。
真言宗 泉涌寺派 別格本山 雲龍院
(南北朝時代の北朝第4代天皇、後光厳天皇の勅願で建立(1372年)された、真言宗泉涌寺派の別格本山)
泉涌寺(せんにゅうじ)の山内の一番奥に「別院雲龍院」はある。
山門をくぐり、石畳の参道を抜けると龍の衝立が出迎えてくれる。
『蓮華の間』
部屋に入ると、座布団が1枚置かれている。そこに座ると、4枚の雪見障子に左から「椿」、「燈籠」、「楓」、「松」が映し出される。
「その場所でないと」という“遊び心”が楽しい。
『悟りの窓』書院悟之間には『悟りの窓』が、心の中を見透かすように半目で見られているようだ。
『水琴窟』
ここには、かつて大きな池があり、大石内蔵助は龍のすみか「龍淵」と名付けた。現在その池はなくなってしまっているが、守り神の龍は尚、この地に留まっているとされる。その息吹が聴ける「龍淵のさやけし[水琴窟]」なのである。
『燈籠』
徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜が 孝明天皇陵前に建立したのを 幕末の混乱で倒され、当院の住職が避難させて据えた… といういわれがある燈籠は霊明殿の前にあるが、少し傾いているのが 慌てぶりの象徴とされている。燈籠の足元には砂で皇室の十六菊紋がきれいに書かれている。
晩秋にもう一度訪れたい寺である。
2017年09月28日 | Posted in 建物探訪記 |