4号特例をぶっ壊せ!! vol.3

古い話ですが、伊勢湾台風2伊勢湾台風2010年5月、人気マンガ「美味しんぼ」のなかに「日本の家屋で国産材の使用率が著しく低い一因は、日本建築学会が1959(昭和34)年に木造建築を否定(木造禁止)したため」という趣旨の記述があり、2か月後という異例の速さで、日本建築学会が“この決議を行うに至った背景とその後の経緯、また本会の木造建築に対する取り組みについて説明”するということがあった。
1959年9月の伊勢湾台風による甚大な被害の直後におこなった「建築防災に関する決議」において、『木造禁止』の決議をしたのは歴史的事実ではある」が、「木造建築全般の禁止を一律に求めたものではなく、危険の著しい地域を防災地域として指定し、この地域における建築制限の一つとして、木造禁止を提起した」(http://www.aij.or.jp/jpn/databox/2010/20100726-1.htm)と説明した。
が、この時から1987(昭和62)年、建築基準法の改正により『木造の制限緩和』されるまでの約28年もの長きにわたって、「木造」の不遇の時代が続いた。
学問の世界でも木造建築の教育と研究の停止(現在、国立大学86校中、建築学科に木造科目があるのは京都大学と信州大学だけと聞く)され、この間「日陰者の存在としての木造」は細々と地域の工務店に支えられ、今日に至っていると言える。
2010(平成22)年「公共建築物木材利用促進法」が施行され、「木造・木質化の意義と効果」について正面から論じられることとなったが、「木造は災害に弱い」「木造は火に弱い」といまだに揶揄され、4号特例は現在も有効だ。

2016年4月の熊本大震災、同年12月の糸魚川大火など、災害はいつでも起こりうる。最近では北朝鮮のミサイル発射で「頑丈な建物に逃げ込め」とJアラートが叫ぶ。
どれだけ頑丈な建物を作ろうと言うのか?災害

9月6日、県産材利用推進木造セミナーに参加し、アルセッド建築研究所の大倉靖彦副所長が講師を務める「地域を活かす木造建築への取り組みと普及」と題する講演を聞いた。アルセッド建築研究所(三井所清典代表)は2004(平成16)年に発生した新潟県中越地震によって、全村民が村外避難を余儀なくされた村の復興のための設計(山古志における震災復興住宅モデル設計」)した設計事務所である。
その講演の中で、大倉氏は盛んに『所作』という言葉を口にした。
「木造の所作」
「雨仕舞の所作」
「木構造の所作」
「木造耐火の所作」
そうなんだ!
「木は腐る」のではなく、「雨仕舞の所作」と「メンテナンス」ができれば、腐らない。「木は燃える」のではなく、「木造耐火の所作」ができていれば、火事を防げる。「木造が地震に弱い」のではなく、「木構造の所作」がしっかりしていれば、生命財産は守れる。
「ガスコンロは火事になる可能性があるから使わない」という人はいない。所作を間違えると火事になる。

“4号特例”は木造にとって間違った『所作』であると考えます。
だから、“4号特例をぶっ壊せ!! ”なのです。アルセッド所作

2017年09月08日 | Posted in 私感・直感