SSW14工法 木造4階建て建築記 vol.2
==驚愕==
昭和56年(1981)建築の当物件は、予想はしていたものの、驚くことがあった。
- アスベスト含有建材(外壁サイディング)が1部あった。
肺線維症、肺癌の他、稀な腫瘍である悪性中皮腫の原因になるとされている”アスベスト”は、日本では1975年9月に吹き付けアスベストの使用が禁止され、2004年までには、石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止されている。
診療所用途の外壁にアスベスト含有建材(黒色の外壁部分)を使用した建築士の意識の低さに愕然とする。
皆さんの住まいは大丈夫だろうか?
2004年以前に新築されたり、購入された建物なら、1度専門家に調査したらいかがかと思う。健康第一ですから。
- 白蟻被害がかなりあった。
白蟻被害の予兆(右図参照)はいろいろあるが、何度か羽蟻が発生した程度で、まさかこれほどの白蟻にやられていようとは!!
場所も水回りとかではなく、東側の建築当初待合室に使っていた場所やレントゲン室前など、およそ湿気とは縁遠い箇所が被害を受けていた。
建築物等に大きな被害を与えるものに、ヤマトシロアリとイエシロアリがいますが、ほぼ日本全国に分布しており、どの住宅でも被害を受けている可能性があります。土台がなくなり、柱の下部が食われ、宙に浮いた状態は、「もし、熊本地震級の地震が発生したら・・」と背筋が寒くなります。
家って、メンテナンスが必要とつくづく感じました。
- 旧耐震構造であった。
1978年の宮城県沖地震を受けて改正された『新耐震基準』は昭和56年(1981)6月1日施行された。正に住宅の安全性のターニングポイントといえる日だ。旧耐震基準には大規模地震については、そもそも基準がなかった。そこに、
・震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと
・震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと
の2点が加えられた。
私たちの耐震診断では当物件は”旧耐震基準”物件と診断された。
熊本地震では、益城町で旧耐震基準による建物702棟のうち225棟が倒壊したことを考えると、建て替えを決意して良かったと思った。 - 建物は経年劣化をする。メンテナンスを怠っては「生命・財産を守るための建築物」が凶器になることもある。
- 車に車検があるように、家も定期的な診断が必要だ。
2017年08月24日 | Posted in SSW14 エム・グループ本社ビル建築記 |